藤原敬之

組織の論理と自己の存在との軋轢が必ず不条理という形で襲って来ます。また様々な人間関係を通して不条理に遭遇します。そこで折れないようにするための心がけを最後にお話しします。ハラスメントを避けるにも有効だと思います。 それは自分の周りの人間全てを他者だと認識することです。ビジネスでいうと全ての人間を顧客だと思ってしまうことです。上司も同僚も全てを自分の顧客だと思ってしまいます。そうすることで甘えがなくなります。依存心もなくなります。 他者とは自分とは全く異質の存在ということです。こちらのことは黙っていては分かってくれない存在です。他者にこちらの存在を納得させ、こちらの意見で説得し、何より機嫌良くさせることを実践してゆくのです。 上司だから分かってくれる筈だ、同僚だから助けてくれる筈だ、という考えを一切捨てることなのです。 ある意味これは自分を捨てることに繋がります。そうです、この世の中でスムーズに自己目的を達成しようとするには一旦自己を捨てるのが近道です。つまらん自我に拘泥するより自己を捨てて他者を主体に考えてみる。 人間はいつも自分のことしか考えていませんから、実はこのぐらいの心構えを持っていてちょうどなのだと思います。 しかし、この心構えを持てると強いです。他者のことをひとつずつ認識する過程で、社会の中での自分の息方が一歩ずつスムーズになってゆく筈です。